元警察官で48歳、業界未経験で不動産会社に就職したことについて

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警察官のセミリタイヤについて

こんにちは、カトヒレです。

 

私は25年間勤めた警察を今年の5月に退職して、セミリタイヤ生活中です。

高校生と中学生の子供がいるのですが、資産は1億円以上あるので、投資の収益だけでも生活することはできます。

お金のために躍起になって働くステージは卒業していますが、それでも私は働いています。

退職前の2か月半は、有給休暇を消化しました。

有給休暇期間中は家にいて、読書や運動、子供の送り迎えなどをして過ごしていました。

暇で困るということはありませんでしたが、妻や子供の手前、私だけ毎日家にいる生活は気が引けるようになりました。

子供は毎朝6時に起きて、学校に行き、帰ってくるのは夜8時ころです。

土日も部活に行っているので、とても忙しく過ごしています。

そんな中、私だけ毎日家に居て、時間に縛られることもなく悠々と過ごせる。

家族が忙しそうに過ごしている中で、自分だけ時間があるのは、とても居心地が悪く感じるようになりました。

仕事の場合でも、同じ部署なのに忙しい係と暇な係があります。

忙しい係の人は、暇な係の人を軽く見たり、バカにするような態度を取ることもありますよね。(警察の場合では、刑事課員が地域課員を軽く見るのはよくあることです。)

一つの集団の中で、忙しさや待遇に差がある場合には、妬みや不満が発生する原因になると思います。

ましてや、私の場合は働き盛りとされる40代の父親です。

その私が家で一番暇そうにしていて、妻や子供の方が忙しい日々を送っている。

子供がその状態を不満に思ったり、私のことを軽く見たとしても、文句は言えないです。

そんなことを2か月半の有給休暇期間で感じた結果、私は再就職することにしました。

 

今日は、警察の仕事しか経験していない私が、不動産会社で就職してみての感想などを書いていきます。

不動産事務という仕事

警察を退職してすぐ、私はとなり町にある小さな不動産会社で働くようになりました。

業務内容は、不動産事務です。

雇用形態はアルバイトで、週4日で8時間勤務をしています。

仕事内容は不動産事務で、電話対応、パソコン入力、営業担当のサポートなどです。

時給は1100円で、宅建士資格手当が月に2万円出ます。

月収にすると17万円くらいです。

時給は決して高くありませんが、事務作業なので労働としては楽です。

不動産事務を選んだ理由

不動産事務を選んだ理由は、

・私は不動産投資をしようと思っていた時期があり、関連書籍を20冊くらい読んでいた

・宅地建物取引士の資格を取得していたので、有利になると思った

・経験値を貯めていくほど、仕事が楽になる業種がいいと思った(コンビニや倉庫などのバイトは経験値が貯まりにくいので、年数を重ねても重労働になるからイヤ。)

・不動産業界は、営業ノルマはきついが、事務職は楽と聞いていた

これらを基準に決めました。

警察の有給休暇期間が終わる2週間くらい前に、ネットに掲載されている求人情報に応募して、1社目で内定でした。

48歳で業界未経験の元警察官。

面接する側としても評価が分かれそうな経歴ですが、採用された一番の理由は宅地建物取引士の免許を持っていたことだと思います。

仕事の内容は、電話受けとパソコン作業がメインです。

電話は1時間に1本くらい受けるだけで、苦情対応とか面倒くさい内容ではありません。

パソコン作業も、基本動作ができれば大丈夫で、難易度が高い作業をするわけではありません。

一日8時間働いても、クタクタになるようなことはありません。

一方、コンビニ、倉庫の仕分け、交通整理などを8時間やることを想像すると、それなりの重労働になりそうです。そして、それらの仕事は経験値が貯まりにくいので、勤務年数が増えても仕事は楽になりません。

そういう労働は嫌だなと思っていました。

経験値が貯まっていくほど楽になり、重労働ではない不動産事務って、結構おいしい仕事だと思うんですよね。

ノルマがない

不動産会社って、営業のノルマが厳しいという印象があると思います。

マンガの「正直不動産」などでも、ノルマ未達の営業員が、上司からゲキ詰めされている描写もあります。

営業担当は、売ってなんぼの世界であり、売れない営業はゴミ扱いされる業界です。

会社によりますが、営業の給料はどれだけ売れたかで決まる歩合制です。

例えば、残業代込みの基本給が20万円。プラス店の売り上げの10%を営業手当として支給する。

この条件で、月収50万円になるには、基本給20万円と30万円の営業手当を稼ぐ必要があります。

30万円の営業手当をもらうには、3000万円の家を3件売るイメージです。(片手取引の場合)

一方、月に1件も売れなければ、どんなに残業しても給料は20万円。

そして、上司からはノルマ未達でゲキ詰めされます。

 

不動産業界は、営業ノルマの厳しい業界ですが、事務員にはノルマはありません。

事務員に求められるのは、電話対応やパソコン作業をミスなくこなすことです。

教わったことを一つ一つ確実に覚えて行けば、ストレスの少ない仕事です。

一度覚えればどこでも働ける

不動産業界は、独特の商慣行や専門用語なども多いです。

アットホームやスーモなどのポータルサイトを見ていると、同じ物件が何件も表示されていていることがあります。

不思議に思ったことがある人もいると思います。

あれは、同じ物件を複数の不動産業者が広告掲載しているということです。

一つの物件を、不動産会社A,B,C,Dが広告を掲載しているとします。そのうちBの会社をクリックして、その業者に問い合わせをして物件を購入した場合、仲介手数料を会社Bに支払います。この物件の売主が、不動産会社Zで、不動産会社A,B,C,Dに広告掲載を依頼していたことになります。買主の客は、会社A,B,C,Dではなく、直接不動産会社Zに問い合わせをすれば、仲介手数料を払わなくても済みます。(仲介手数料は物件価格の約3%なので、3000万円の物件なら90万円にもなります。)でも、その仕組みを知らない普通のお客さんは、仲介した会社Bに手数料を払うことになるのです。

不動産業界にはこのような独特の商慣行があり、たくさんの専門用語があります。

最初のうちは、私もこのような仕組みを知らなかったので、仕事をしていてもチンプンカンプンでした。

仕事をしていくうちに、徐々にこの業界の仕組みを覚えていくことができました。

そして、この仕組みはどこの不動産会社で働く場合でも共通です。

つまり、一度仕組みを覚えてしまえばどこの不動産会社でも働くことができます。

職場に変な人がいたり、会社の業績が悪くて退職する場合でも、すぐに同業他社に転職できるというのはいいですね。

因みに、不動産会社は全国に12万店もあるそうです。

これは、郵便局の2万4000店、コンビニの5万7000店よりも多いです。

私も不動産業界歴が半年になり、徐々に仕事を覚えてきました。

次にどこかに就職するにしても、不動産業界の会社を選ぶと思います。

宅建士資格があると、なお良し

私がやっている不動産事務職は、宅建士資格は必須ではありません。

むしろ、事務職で宅建資格を持っている人の方が少数かもしれません。

業界未経験、宅建資格なしでも不動産事務で採用される可能性は十分あります。

ただ、業界未経験から事務員としてある程度使えるようになるのには、最低3カ月くらいは必要になります。

最初の一カ月くらいは、チンプンカンプンで何やってるんだか全然わからない状態が普通です。

そこから自分で努力して仕事を覚えて、やっと使えるようになるのに3カ月。

それまでは、ほぼ戦力外ということです。

採用する側も、未経験者を採用する場合、最初の3カ月は戦力外なのを覚悟しているわけです。

だから、「この人ちゃんとやってくれそうだな。」という印象を採用側に持ってもらわないと、面接で断られる可能性があります。

それまでの職歴、現時点でのスキル、ビジネスマナーがある、やる気がありそう、長く働いてくれそうなど、「この人ちゃんとやってくれそうだな。」という印象を採用側に持ってもらう必要があるわけです。

その中の一つに、宅建士資格を保有していることがあります。

宅建士資格は、不動産業界において一番重要な資格で、取得するにも300時間くらいの勉強が必要になります。

年一回、試験が行われますが、合格率は15%くらいです。

宅建資格があると、不動産の基本的な知識があることの証明にもなります。

また、契約の際に必ず行う重要事項説明は、宅建士にしかできない独占業務です。

宅建士資格があるということは、

・不動産の基本的な知識がある

・そこそこの難しさの試験に通る自頭

・不動産業界で頑張りたいという覚悟

これらを採用側に示すことができるわけです。

なので、宅建士資格があると、不動産事務の採用に通る確率が格段に上がる、と言えると思います。

最後に

私が不動産会社で働くようになって半年が過ぎました。

徐々に仕事を覚えてきて、賃貸住宅の契約と重要事項説明は、一人でもやれるようになりました。

不動産事務としては、賃貸住宅の契約と重要事項説明ができれば、取り敢えず一人前というところだと思います。

ここまで順調に来ているのも、警察に在職中に宅建士資格を取っていたことが大きいです。

宅建士資格を取ったのは2016年だったので、退職する8年も前のことです。

当時、警察を辞めるために何か資格を取りたいと思って、「宅建を取っていれば食いっぱくれない。」という話を信じて資格を取りました。

今になって、あのときの判断と取得のための努力が役に立っています。

宅建を取るために、私は8カ月で400時間をかけて勉強しました。

普通の人よりも多く勉強したので、私は50点満点中44点で合格でした。

 

その他、FP1級とCFPという資格を取るのに700時間以上は費やしました。

こちらの資格は、就職に強い資格ではありませんが、お金のこと全般の知識と判断力が上がるような勉強内容になっています。

FP1級を勉強する過程で、私は節約と投資で資産を1億円以上にすることができました。

私の警察退職の道のりは、資産形成と資格取得とセットだったような気がします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ハル より:

    カトヒレさん、こんにちは。

    今年の夏からこちらのブログを読んでいます。
    きっかけはXで見かけたことです。
    過去に遡って全て読ませていただきました。
    とても興味深く、大変勉強になる内容だと感じています、ありがとうございます。
    私は50代で営業職の仕事をしています。自分ではストレスの多い職場(職種・業界)と感じています。
    まだ子どもが学生のため、具体的なタイミングは決まっていませんが、あと1〜2年で現在勤務の会社を辞めて、カトヒレさんのように、収入レベルが下がる代わりに、できるだけストレスの低い業種に転職して、体力が続く限り、できれば70歳くらいまで働きたいと考えています。
    こちらのブログを読み、宅建の資格に興味を持つようになりました。
    もしチャレンジするなら来年度の受験を考えています。
    そこで質問させてください。
    個人で勉強するにあたり、完全な独学か、あるいは通信教育を選択肢として考えているのですが、カトヒレさんは通信教育などは利用されましたか?
    私のバックグラウンドとしては、不動産業界とは全く無縁な環境です。
    社会人になって以降、不動産関連で経験したことは、自宅売却と購入がそれぞれ1回づつ、それと全国転勤の仕事なので、これまで7回転勤し、その度に物件探しと賃貸契約を経験したくらいです。

    どうぞよろしくお願いいたします。

    • katohire katohire より:

      ハルさん。
      ブログを読んで下さりありがとうございます。
      営業職は、大変なストレスが掛かりそうな仕事でしょうね。

      宅建は、私の場合は完全に独学です。
      ブログにも書きましたが、合格ラインに達するまでには300時間くらいあれば行けると思います。
      効率よく受かるためには、通信教育や予備校も有効だと思います。
      ただ、費用の問題もあるので、来年度絶対に受かりたいかどうかの本気度も合わせて考えるのがいいと思います。

  2. 匿名 より:

    早めの更新ありがとうございます。山Pの正直不動産、好きでした。

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