警察官をやることのリスク。転職に不利、高給であるが故の浪費癖などについて

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自己紹介

こんにちは、カトヒレです。

 

私は25年間務めた警察を2024年5月に退職して、セミリタイヤ生活をしています。

警察を辞めた時の年齢は48歳です。

普通の人よりも10年以上も早く警察を辞められた理由は、長い時間をかけて、お金の問題に取り組んできたからです。

お金について、真剣に考えてきたからこそ、十分な蓄財ができたし、それを運用する知識も身に着けました。

・宝くじで10億当てたわけでもなく

・1円を節約するために、爪に火をともす節約をしたわけでもなく(ストレスのある節約は人生をつまらなくする)

・リスクの高いギャンブル的な投資をしたわけでもなく

地に足を付けた節約と投資方法で、資産を1億円にしました。

その1億円を運用していけば、警察の仕事を辞めても生活できるという目算が立ったので、警察を辞めました。

 

警察を辞めて思うことは、警察の仕事はとてもリスクが高いということです。

リスクとは、犯人に刺されるとか、そういうことではありません。

私が考える警察のリスクとは

・警察は転職がしにくい片道切符

・長くやるほど抜けられなくなる、沼職業

・転職スキルがないくせに、高給であること

・高給ゆえに、浪費しがちなこと

・同業者としかつるまないので、金融知識などが身につかないこと

これらを感じています。

今日は警察をやるうえでのリスクについて書いていきたいと思います。

警察でビジネススキルは身につかない

25年間の警察人生を終えた今思うことは、警察の仕事を長くやるほど、転職ができにくくなるということです。

警察の仕事で身に着けるスキルは、ほかの業種では活かすことができないからです。

警察を長い年数をやるほど、スキルは貯まらずに、年齢ばかりを重ねてしまうというデメリットがあります。

 

民間企業の採用では、中途で人を採用する場合、即戦力として何ができるのかが採用基準になります。

年数だけ重ねても、ビジネススキルの低い人は、労働市場での価値は低いです。

だから、20代のうちにビジネスパーソンとしての方向性を決めて、それを磨いていかないと、30代以降の転職に詰まります。

20代のうちからビジネスパーソンとしての価値を高めた人は、30代以降の転職も選び放題。

反対に20代でスキル向上を望めない仕事や、ワークライフバランスを重視した働き方(屁理屈こねて楽をする)をした人は、30代以降に転職ができにくくなります。

ビジネススキル(何ができるか)に応じて、労働者としての市場価値が決まるので、当然といえば当然ですね。

 

さて、警察の職場環境はどうでしょうか

・接客マナーを習わない

・名刺交換の仕方も知らない

・パソコンはワープロレベルができればOK

・ノルマ未達でも怒られれば終わりなので、必死さがない

・言われたことをやる「愚直」が美徳とされるので、自分で考えるという発想がない

・同業者とばかりつるむので、外の世界を知らなすぎる

・年齢を重ねるほど、仕事を自分でやらずに若手に押し付ける人が多い

・年数を重ねるとプライドが高くなるので、新しいことをがむしゃらにやるという気力がない人が多い

こんな職場環境に長くいて、異業種に転職して活躍することは無理でしょう。

警察という職場は、長くやるほど転職が難しくなります。

一つの職業しかできない人間を育てる環境であるので、辞めた場合の選択肢がなくなる、リスクの高い職場だと思います。

高給にしがみつこうとする思考がリスク

警察は、ビジネススキルが身につかない職場ですが、長く働く人にはとても報いてくれる職場です。

個人の能力や実績に関係なく、長く勤めるほど給料はどんどん上がっていきます。

私が警察を退職する前年の年収は、909万円です。

10年目で600万円

20年目で800万円

というペースで上がっていきます。

警察の仕事が好きで、定年まで働くことに迷いのない人にとっては、最高にありがたい昇給制度です。

 

しかし、警察の仕事が嫌いな人にとってはどうでしょうか。

仕事が嫌いでも、年数を重ねるごとに給料は上がっていきます。

やる気がなく、惰性のような状態で仕事をしていても、10年を過ぎたら年収600万円です。

こうなると、高額な給料を失うのが惜しくなり、給料にしがみつくような思考になる人も多いです。

嫌いな仕事だけど、長くやるほど辞めるにやめられない、沼っていく状態。

実際に警察官は、3年以内に辞める人は多いものの、10年を超えてから辞める人は少ないです。

600万の給料を捨ててまで、やりたい仕事に転職しようという気力はなくなっているのでしょう。

高給であるが故に、それを捨てるのが惜しくなり、転職という選択肢がゼロになる。

そうすると、どんなに警察の仕事が嫌いでも、それにしがみつくという発想になる。

精神を病もうが、体を壊そうが、撃ち〇したくなるくらい憎い上司がいようが、職場にしがみつこうという思考になる。

転職するという気力が奪われるのも、警察の仕事のリスクだと思います。

高給をもらっているという認識がない

警察官は高給をもらえているのですが、その自覚がない人がとても多いです。

勤続10年で年収600万、20年で年収800万は、上場企業のレベルです。

上場企業というのは、日本のエリート企業です。

日本に株式会社は400万社くらいあると言われていますが、上場企業はわずか4000社しかありません。

警察官は、日本の全部の株式会社のトップ0.1%の会社と同じ水準の給料をもらっているわけです。

日本の全部の会社の正社員・全年齢の平均年収は、450万円くらいですから、警察官の給料がいかに高額かということがわかります。

にも関わらず、警察官の多くは、自分が高給をもらっているという自覚がない人が多すぎます。

これだけの高給をもらいながら、「給料が安すぎる」と文句を言っている人をたくさん見てきました。

私からすると、自分の能力と仕事内容を考えると「とんでもない暴言」に思えていました。

世の中の労働市場の相場を知らないから、自分の給料を高いと思わないのでしょう。

世間知らずも、甚だしいです。

そのような感覚の人からすると、年収800万円の警察をやめて、年収450万円の民間の仕事をすることには耐えられないでしょう。

実際には、未経験の業種で年収450万円をいきなりもらうのは、ほぼ無理でしょう。

民間に中途で採用されるには、「今まで何をしてきて、入社したらできること」を採用側にアピールしなければなりません。

警察の仕事を長くやるほど、そのアピールは難しくなるでしょう。

外の世界の常識を知らないで、高給を当たり前だと思ってしまう感覚が身についてしまう。

これも警察をやるうえでのリスクだと思います。

高給取りであるが故の消費感覚

警察官の給料は高額なので、それなりに贅沢な生活ができてしまいます。

普通の会社員の平均年収が450万円のところ、10年目から年収600万円をもらえるわけですからね。

しかし、以下のようなものを当たり前だと思うような感覚で浪費をしていると、お金に困るのは確実でしょう。

・新築で4000万円の戸建て

・車は新車で400万円

・週1回家族で外食

・準備するのが面倒なので、昼食はいつもコンビニ

・子供二人で、中学から私立

・保険はもしもの安心と、おススメに加入

・格安SIMは、速度が遅そうだから使わない

・イデコ、NISA、ふるさと納税はよくわからない

私が警察官だったころ、これらを当たり前の感覚で生活している同僚ばかりでしたね。

そして、「お金が足りない、給料が安い。」とぼやいている人がたくさんいました。

なんで普通の消費をしていて、お金に困らなければならないのかと、みんな真剣に悩んでいました。

バブルが崩壊して、人口減少が進む現代の日本で、上記のような消費は、とても贅沢です。

上記のことを全部やると、年収1000万円でも全然足りなくなります。

昭和の時代を生きてきた、親の世代とは時代が変わっているのです。

 

多少給料が高くても、自分の価値観と身に丈に合った支出をしていかないと、貧乏になるのはあっという間です。

特に、同僚が新築を買ったから、近所の子が中学受験をするから、同僚がみんな新車だから。

このような理由で、本当は自分は欲しくもないのに、周囲と同じような消費をしようとしていると、貧乏まっしぐらです。

高給をもらっている警察官には、特に注意するポイントですね。

高給取りである同僚や、そこそこの高級住宅地の隣人と比較して、自分も同じように消費のレベルを上げてしまう。

警察の高い給料をもらえているうちは何とかなるかもしれませんが、警察の仕事を辞めると人生が破綻するようなお金の使い方をしているという認識を持った方がいいでしょう。

最後に

私は、警察を早期退職した後、アルバイトをしています。

アルバイト先に選んだのは、不動産会社での事務です。

警察の現職時代に宅建士資格とFP1級の資格を取得していたので、それらを活かせる不動産業界で働くことにしました。

主な仕事は、不動産物件のインターネット広告の管理、物件に対する問い合わせの電話対応などです。

時給は1100円なので、最低時給に近いです。

高校生のアルバイト並みですね。

宅建というそれなりの難易度の資格を持っていても、経験がないと最低時給に近いところで働かなければならないわけです。

私の警察時代の最後の年収は909万円でしたが、その半分の450万円で働くことも、未経験ならほぼ不可能です。

警察という、他の職場で活かせるスキルが身につかない職場で働くのなら、自分の転職市場の価値は極めて小さいと考えるのが妥当でしょう。

警察に就職したなら

・第二新卒として評価される3年以内にやめる

・定年までしがみついて、生涯年収3億円をゲットする

この2択が正解でしょう。

警察で3年やって、その経験を他業種に活かすというのは無理なので、辞めるならさっさと辞めた方がいいでしょう。

3年もやれば、自分が警察に合うか合わないかは、わかると思います。

反対に警察の仕事を長くやるなら、とことん長く、定年までやるべきでしょう。

続けてさえいれば、いずれは年収1000万円近くになるという夢のような職場です。

夢から覚めずに、定年まで勤められれば、勝ち組確定です。

 

もう一つの選択肢としては、私のように、警察の恵まれた給料と福利厚生を利用して、セミリタイヤすることです。

48歳で、高校生と中学生の子供が二人いて、経済的な不安がなく、警察を退職して悠々自適な生活を送る。

このような選択肢も可能です。

住宅選び、車選び、保険の加入、通信費、イデコ、NISA、ふるさと納税

このようなことを日常的に考えて、うまく利用できている人なら、警察を早期退職してセミリタイヤすることも可能でしょう。

自分で考えて行動することで、他人とは違う人生を歩めると信じることが第一歩です。

思考と行動を重ねることで、愚痴ばっかり言ってる生産性のない同僚とは、一線を画す勇気と行動力を持つ。

その覚悟を持って、長期的に行動すれば、自分の望む人生を進むことができる。

私はそう考えています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ヒロ より:

    身につまされる記事です。

    私は昨年末に、拝命以来積み立てていた財形年金を解約しました。
    (大半を教育資金として個人向け国債に、一部を投資に回しました)
    周りの人からは「勿体ない」「何があるか分からんのに」などと言われましたが、過去のカトヒレさんの記事を読んでいたので、自信を持って解約できました。

    そもそも、周りと違うこと(早期退職)をしようとしているのに、周りと同じことをしていても、目標は達成できませんしね。

    • katohire katohire より:

      ヒロさん。ブログを読んでいただきありがとうございます。

      財形年金を解約して、投資と個人向け国債を購入されたんですね。
      賢明な判断だと思いますよ。
      おっしゃるとおり、ほかの人と違うことをしようとしているのに、ほかの人と同じことをしていてはだめですよね。

    • 匿名 より:

      横からすみません。私も財形年金を拝命5年で調整金額まで積み立てました。何度か解約をしようかと思っていましたが、無リスク資産としてとりあえずは残していこうと考えています。もちろんインフレで目減りしていくことは承知しています。ただ正直ゆとりAだけで充分かなとも考えていて、ゆとりBもある程度貯まったのでそろそろ一部引き出しをしようかと。ちなみに数年前までがむしゃらに積み立ててましたが、今は年末調整の提出を楽にしたいので、ABともに年間10万円ずつの積立で調整しています。

  2. 匿名 より:

    3年前、1ヶ月半の育児休業を取ったときにFIREの考え方に出会いました。
    YouTubeを観ながら食器洗いをしてると、厚切りジェイソンの投資本の紹介が出てきました。
    ジェイソンさんのお金の使い方や生き方に感銘を受け、そのあとはもう、両学長をはじめとする金融教育系YouTubeを観まくってました。
    しばらくすると、今の資産があれば10年もしたら警察官を辞められるんじゃないかと思うようになりました。
    でも、経済的不安の無い今の状況があるのは、なんだかんだ言って、倹約家の妻のおかげです。(笑)

    • katohire katohire より:

      匿名さん。
      3年前から金融の知識を上げるために努力してきたんですね。
      金融系のYouTubeは、良質なものも多いので、私も積極的に観るようにしています。
      警察官を早期退職できたのも、それらから学ばせてもらったところも大きいです。

      それと、早期退職には、節約家の配偶者は最大の味方だと思いますよ。

  3. KO より:

    某県の交通課で働く者です。
    高卒ストレートで拝命し、日々の辛い仕事からなんとか耐えて12年が経過してしまいました。
    辛い仕事から逃れるため退職しようか、どうしようかなぁと思っていたところ、こちらの記事を発見し感銘を受けました。
    NISAを開設し、車も売って貰い物の軽自動車に乗り換えました。
    節約とお金の勉強、していきます。
    今後も投稿、楽しみにしております。

    • katohire katohire より:

      KOさん。
      若いうちから堅実なお考えで素晴らしいですね。
      私がお金について考え始めたのは30代後半だったので、KOさんの方が優秀です!(^^)!
      車を売ってNISAを始めるという行動力も素晴らしい。
      交通課も激務の部署ですから、無理をなさらず。。。
      辛い場面が訪れても、資産に余裕があると選択肢も増えますから、蓄財はしておくことに越したことはないでしょう。
      仕事はほどほどに。勉強は頑張ってください!(^^)!

  4. 匿名さん より:

     高給取りであるが故に、金融リテラシーがとても低いという点は激しく同意します。
     何かへの漠然とした不安からか、やたらと保険に入っている職員も多いです。
     超保守的な職場で投資=ギャンブルという見方をされる職場だとも思います。
     保険会社に天下った元幹部が保険外交員を役所に派遣し、署員に外貨建て貯蓄型保険を「リスク分散」などと理由をつけて勧めてみたりとまさにカオスです。
     私も頃合いを見てFIREしたいと考えています。
     カトヒレさんのブログ、Xはどれも参考になります。
     引き続き勉強させていただきます。

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