セミリタイヤ後に働く理由。働くことと他者への貢献について。

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警察官のセミリタイヤについて

こんにちは、カトヒレです。

 

私は2024年5月に、25年間務めた警察を早期退職しました。

退職時の資産は約1.1億円です。

このお金を運用しながら取り崩していけば、老後もお金が尽きることはないと思います。

もう働かなくても大丈夫なだけの資産を築けたのですが、私は現在働いています。

セミリタイヤを目指して資産形成を頑張っていた数年前は、私は人が働く理由の奥深さに気づけていませんでした。

・労働とは、自分の時間を雇用主に捧げることでお金に変換する行為であるということ。

・生活するのに必要なお金を得るために、嫌なことでも我慢して働く。

基本的に労働とは、こういうものだと思っていました。

だから、人の自由な時間を奪う、労働を憎んでいました。

警察という、私とは合わない組織体質と仕事内容。

自分とは合わない環境で25年間も仕事をしたせいか、私は労働が大嫌いな人間になっていました。

「労働なんか、この世からなくなればいいのに。お金の心配さえなければ、自分は絶対に働かない。」

このように考えていました。

そんな私が、警察を退職後にすぐに再就職をしました。

そして今は、毎日楽しく仕事に行っています。

最近は、私より若い女性の新人が入ってきたので、毎日楽しくおしゃべりしながら仕事をしています。(笑)

楽しく労働をするという自分の姿は、警察時代の自分からはとても想像できませんでした。

 

今日は、お金の心配がないセミリタイヤ後に、なぜ自分は働いているのかということについて書いていきます。

不動産会社での再就職の経緯

私は現在、地元の小さな不動産会社で仕事をしています。

雇用形態はパートで、週4日で一日8時間労働しています。

週32時間労働は、結構頑張って働いていると思います。

パートなので、ボーナスや有給休暇はありませんが、社会保険には加入しています。

職業を問われた場合は、「会社員」と答えるようにしています。

ずっと家にいるのは苦痛だった

再就職を決めたきっかけは、決して前向きな理由ではありません。

私は2024年5月に退職しましたが、退職日までの2か月半は有給休暇を消化していました。

3月から5月までの約50日間、ずーと家にいる状態が続きました。

本を読んだりゲームをしたり、運動をしたり、暇で困るということはありませんでした。

ただ、休暇の日数を重ねるうちに、だんだんと家に居づらい雰囲気になってきました。

妻が働きに行き、高校生と中学生になる子供が学校に行って、40代の父親が毎日家にいる状態。

家に毎日いるんだから、家事労働はもちろん、子供の学校行事や送り迎えも完ぺきにこなすことを求められる雰囲気になる。

どうせ暇なんだから、主夫をやれと言われてるように感じたんです。

私は家事に興味がないので、必要最低限だけやっておけばいいと考える派です。

部屋を隅々まで掃除して、三食だけでなく、弁当の準備をするなんてできないし、やりたくもないです。

40代のおっさんが、子供の学校や習い事のママ友と仲良くなるのも大変です。

すでに出来上がっているコミュニティの中に、異分子として入って受け入れられるには労力が必要です。

家事や子供の教育にガチでコミットするのは、私にとって苦痛でした。

それだったら、仕事を理由にして、外に働きに出た方がよっぽど楽だと思うようになりました。

そんな経緯で、私は再就職することを決めたわけです。

不動産仲介業の仕事

再就職先での仕事内容は、不動産仲介業の事務職です。

この仕事を選んだ理由は、警察時代に宅建士資格とFP技能士の資格を持っていたからです。

資産形成を進める過程で、金融や不動産の勉強をしていて、興味が湧いたので資格を取得しました。

せっかくなので、自分の興味があり、資格も持っている不動産業界で働いてみようと思ったわけです。

 

不動産業といっても、業務形態はたくさんあります。

私が働いている会社は、個人が所有する戸建て住宅やマンションなどの売り買いの仲介業です。

家を売りたいという人と、買いたいという人の間に入って、契約の手続きを進めることで仲介手数料を頂くというビジネスです。

手数料は、ざっくり物件価格の3%です。

3000万円の物件の売買の仲介をすれば、売り手と買い手からそれぞれ約100万円をもらえます。

3000万円の物件を売れば、200万円の収益になります。

仕入れなしで、売り上げの200万円がそのまま利益になります。

おいしいビジネスと感じるでしょうか?

その売買に携わった営業担当者は、収益の10%(会社によって%は違います)が営業報酬として入ります。

この場合、20万円が歩合として給料に上乗せされます。

自分の実績がダイレクトに給料に反映される分、基本給は低めに設定されています。

基本給は手取りで17万円で、年数を重ねても増えることはありません。

年数を重ねても、売れない営業の給料は低いので、完全に実力主義の仕組みの業界です。

不動産会社の事務職

こんな業界で、私は売り上げと給料が関係しない、不動産事務の仕事をしています。

事務の仕事は、営業担当が成果を出しやすくするための環境づくりです。

一言でいうと、裏方の仕事です。

その不動産会社で物件を売りたい、若しくは買いたいと思ってもらえるような広告宣伝をする必要があります。

今の時代、お客さんのほとんどは、インターネット広告を見たうえで物件の問い合わせをしてきます。

タイムリーで魅力的なネット広告が出せれば、お客さんからの問い合わせをもらえます。

お客さんから問い合わせをもらって、実際に物件を見てもらう。

そのうえで、条件に合わずに買わないお客さんも多いです。

そうなったときに、違う物件を提案して、気に入ってもらって買ってもらうのが営業の手腕になります。

だから、とりあえず最初にお客さんからの問い合わせをもらえないと、営業も成果を出すことができません。

どんなスーパー営業マンでも、環境の整っていない会社で成果を出すのは難しいわけです。

人に貢献することがモチベーションになる

営業が成果を出しやすい環境を整えるのが、私がやっている不動産事務の仕事です。

例えるなら、野球部やサッカー部のマネージャーみたいな存在です。

プレーヤーが練習や試合で成果を出せるようにするのが、私の役割です。

私自身は営業をするわけではないので、会社に直接の利益を出せるわけではありません。

プレーヤーである営業担当が売買を成立させることができるように、サポートするのが不動産事務の仕事です。

だから、営業の人から「カトヒレさんが広告をやってくれるおかげで、営業の成果が出せました。」みたいなことを言ってもらえるのが、一番うれしいです。

自分で利益を出すことができない裏方の仕事は、利益を出すプレーヤーから感謝されることが、一番のモチベーションになります。

自分の仕事は営業担当の売り上げ向上に貢献しているという実感、ひいてはそれが会社全体の利益につながっているという実感。

人のために貢献できるという実感は、自分自身を認めてあげる、自己肯定感の向上につながります。

この自己肯定感の向上こそが、今の職場で毎日楽しく仕事をできている理由です。

前職の警察は、組織が大きすぎて、自分の仕事が誰の役に立っているのかわからない状態で仕事をしていました。

自分の仕事が誰の役に立っているのかわからない状態で、モチベーションを保つのは難しかったです。

大きな組織で働くことは、このようなデメリットもあると思います。

積み上げた経験と今後

私は今の職場で不動産事務をやって、もうそろそろ1年になります。

業界を1年経験していれば、もはや未経験者ではないです。

経験者であり、それなりに業界のことも知っていれば、他の会社に転職することもできます。

私が将来的に考えているのは、賃貸物件の契約をメインに取り扱う不動産会社への転職です。

私の今の会社は、不動産物件の売買をメインに扱う会社です。

不動産の売買は、数千万円単位の契約なので、一件の契約の手間や負担がかなり重いです。

売買契約は、残業や休日出勤も必要になり、とてもパートという雇用形態では務まりません。

売買契約をやるなら、ガチのフルタイムの正社員として働く必要があります。

セミリタイヤ後、お金に困っていないのにガチの正社員で働くのもどうなのかと考えてしまいます。

営業の仕事は面白そうであるものの、フルタイムの残業マシマシはちょっと嫌だなと思います。

 

そんな中で考えているのが、賃貸契約の営業です。

賃貸契約は、売買契約と比べるとはるかに手間が少なく、残業や休日出勤などをしなくても勤められる会社もあります。

賃貸契約がメインの会社で、パートで営業の仕事をしたい。

将来的にそんなことを考えています。

そして、今年の初めから、不動産の賃貸契約に関する資格を勉強しています。

取得に必要な勉強時間は100~200時間とされていますが、2月中旬の現時点で一通りの勉強は終わりました。

試験は今年の11月なので、余裕を持って合格することができそうです。

最後に

セミリタイヤした私は、特にお金に困っているわけでもないのに、仕事をしています。

仕事をしている理由は、人や会社に貢献しているという実感で、自己肯定感を上げるためです。

人って、自分以外の誰かに必要とされているという実感のために生きている。

この考えは、一つの真理じゃないかと思っています。

お金に困っていないからといって、自宅に引きこもって趣味などに没頭していても、人のために貢献しているという感覚は持てないでしょう。

そして、人の役に立っているという感覚がない状態で、自己肯定感を保つということも難しいと思います。

自己肯定感が低い状態で、高い幸福感を得るのもまた、難しいと思います。

 

セミリタイヤする数年前は、お金に困っていないのに働くことは、ありえないと思っていました。

働くのは、100%お金が目的だと思っていたからです。

しかし今は、働くことにより得られる、他者への貢献と自己肯定感は、幸福感に大きな影響があると思うようになりました。

前職の警察では、同僚が

・宝くじが当たったら、一生働かない

・定年退職したら、絶対に働かない

このような発言をする人がいました。

でも、人に感謝や尊敬されない状態で、自己肯定感を高めることはできるんでしょうか?

そして、そのような人生は幸福なんだろうか?

前職の警察を退職した今、そのようなことを考えながら新しい仕事をしています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ヒロ より:

    こんにちは。
    今回の記事で思いましたが
    ・宝くじが当たったら、一生働かない
    ・定年退職したら、絶対に働かない
    は、うちの組織あるあるですね(笑)
    先当番もそんな話しをしていました。
    もしかしたら以前コメントした時に書いているかもしれませんが、私も昨年末に金融資産がアッパーマスクラス(厳密には住宅ローンがあるので違いますが)に到達しましたが、そのせいか今年に入ってからモチベーションが2段階くらい下がりました(笑)
    よくYouTubeなどで「○○万円に到達したら」みたいな動画を見ますが、まさにその通りだな!と思っています。
    私も警察退職後を見据えて、色々資格系の取得に励んでいますので、今後も退職後のお話しを楽しみにしております。

    • katohire katohire より:

      ヒロさん。
      警察の人は、仕事で疲弊しているせいか、労働に対してネガティブに考える人が多いですよね。現職時の私もそうでした。
      でも、警察退職後に自由に働ける環境を得て、労働を初めて面白いと思えるようになりました。
      警察の給料は、私に経済的な自由を与えてくれたので感謝しています。
      ヒロさんも、金銭的な充実が、精神的なゆとりにもつながってきているんですね。
      資格取得に頑張るのもいいですね!自分のレベルアップを感じられるので、私も大好きです。
      今後もブログを読んでくれると嬉しいです!(^^)!

  2. 池田雄一郎 より:

    はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。
    資産形成や仕事についての価値観など、本当に参考になり、ありがたいです。
    私はかつて成田勤務ありの、地方現職ですが、ほかにこのようなブログをされている方について知りませんし、カトヒレさんほど熱心に資産形成に取り組んでいる職員も周囲におりませんので、いつもこちらのブログ更新を楽しみにしております。
    これからもがんばってください!

    • katohire katohire より:

      池田さん。
      千葉で勤務したことがあるんですね!(^^)!
      公務員として働いていると、安定しているせいか、人生について真剣に考えている人が少ないと思いますね。
      私自身は、公務員を辞めても生き延びられる方法を模索し続けてきたので、今のような考えになっています。
      ブログ読んでくださりありがとうございます。
      マイペースで書いていくのでよろしくお願いします。

  3. 匿名 より:

    早期退職後はオリランのキャストとして働いてみたい千葉県在住マンです。
    ヒトに見られながら働くのは慣れてますからね。

    • katohire katohire より:

      匿名さん。
      ディズニーランドのキャストですか。
      接客技術が身につくので、若者に人気の仕事みたいですね。

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