こんにちは、カトヒレです。
今年の5月に25年間務めた警察を早期退職して、セミリタイヤ生活に入っています。
警察を退職して半年が経過しましたが、今のところ全く後悔していません。
やめる前年(2023年)の私の年収は909万円でした。
警察の給料は、50代前半まで伸び続けて、その後は横ばいで60歳の定年までもらえます。
まだ40代の私は、60歳までの十数年間、900万円以上の給料をもらえる権利がありましたが、退職によりその権利を捨てました。
1億円近い給料をもらえる権利と、自分の人生の残り時間を天秤にかけた結果、退職に至りました。
警察時代の私は、仕事に行くのが苦痛でした。
朝出勤したら、勤務時間が終わることをひたすら待ちながら仕事をしていました。
勤務時間中に時計を見ては、「まだこんな時間かよ。長げーな、早く終わってくれよ~」こういう思いで過ごしていました。
でも、ある時気付きました。
やりたくない仕事をイヤイヤやるということは、自分の人生を無駄にしているのと同じ行為です。
まあ、そのイヤイヤのおかげで給料をもらえているわけですが。
そう考えると、イヤイヤ働くことは、人生とお金を交換しているとも言えます。
私の場合は、資産が1億円貯まったので、これ以上のお金は必要ありません。
だから、お金はいらないので、イヤな仕事に時間を差し出すのも嫌です。
これが、今年退職を決めた理由です。
警察署の幹部が、朝礼の際の指示事項に「明日まで一日長いですが、みなさんで頑張って乗り切りましょう。」とよく言ってました。私からすると、「貴重な人生の一日をドブに捨てる代わりに、高額な給料を受け取りましょう。」という方がしっくり来ます。
今日は、10年前に警察の仕事をやめたいと本気で思った私が、どのような経緯で実際に警察をやめたのかということについて書いていきます。
退職を目指して行動した経緯
私は今から10年前、2014年に警察をやめたいと思うようになりました。
それは、警察官なら誰しも一度は考える?
あー、仕事つまんねーな。いっそのことやめちまおうかな。でも警察やめても、まともな再就職先もないしな。家のローンもあるし、やめるなんてむりだよなー。
というような「現実味のない願望」を持つと思います。
でも、私の警察やめたいは、「本気の警察やめたい」です。
警察やめたいの度合いの、格が違うわけです。
出所 鋼の錬金術師
本当に警察をやめるには、数字と理論に裏打ちされた計画性が必要です。
私が「計画的な退職」をするために考えたことについて、みていきましょう。
資金面での計画
当時の私は、子供が二人いるアラフォーのおじさん警察官でした。
子供がいると、メチャクチャお金がかかります。
子供一人を大学まで進ませる学費は、ザックリですが1000万円です。
学費だけでこの金額です。
食費や水道光熱などの生活費、小遣いなどの娯楽費も含めると、子供一人当たり3000万円必要という試算もあります。
それが二人ですからね。
家族持ちで早期退職することが、夢や現実味のない願望とされるのは、ある意味自然なわけです。
そんな私が、警察を早期退職できる金銭面での数字を考えました。
アラフォーの現時点で、資産は4000万円近くある。これをインデックス投資で運用していく。さらに、毎月の給料から年300万円貯金する。それもインデックス運用に回していく。これを10年間続けていけば、50歳までに1億円を達成できる可能性は高い。そして警察を退職する。
要は、50歳で1億円の資産を築くことを目標にしました。
運用の利回りは自分でコントロールできないので、運の要素も大きかったのですが、2014年以降の10年間は、株式市場は好調を続けました。(この間日経平均株価は15000円から40000円まで成長しました。)
運にも恵まれ、2024年の初めには退職金を含めた資産額が1億円を超えました。
当初50歳と想定していた時期よりも約2年早く、私は資産1億円を達成して、警察を退職する決断をしました。
お金の勉強の資格を取得
警察を早期退職するという、普通の人とは違う道を進む以上、お金の知識は高いに越したことはありません。
お金の知識が高ければ、無駄なお金を支払わずに貯蓄を増やして、それを投資に回してさらにお金を増やすことができる。
知識が増えればお金の不安もなくなり、自信をもって仕事をやめることができる。
そう考えたので、お金の勉強をするようになりました。
具体的には
・自分の年金はいくらもらえるのか
・退職後の健康保険や年金制度はどうなるのか
・インデックス投資の理論について
・ふるさと納税やidecoなどの仕組み
・キャッシュフローを作って、お金が足りるかどうかの確認
・自分に必要な保険の入り方
・不動産投資は儲かりやすいのか
このようなことを知っておくと、資産を増やすことに直結します。
そして、これらのお金に関することは、とても範囲が広いので、局所的なことを掘り下げていくとキリがありません。
これらのことを体系的に広く浅く勉強できる資格として、FP資格(ファイナンシャルプランニング技能士)というものがあることを知りました。
FP資格は1,2,3級とあり、難易度が違います。
取得するのに必要とされる勉強時間は
3級 50時間
2級 250時間
1級 700時間
くらいとされています。
私は2014年から勉強を始めて、2017年に1級を取得しました。
FP1級を取れたことで、お金に関することの知識にはだいぶ自信を持つことができるようになりました。
再就職できる資格を取得
実際に警察を辞めた後、万が一お金が足りなくなってしまった場合どうするのか。
1億で足りないなら、1億1千万、1億2千万と増やすことで、不安はなくなるのでしょうか。
私はそうは思いません。
今あるお金を使い果たしたら、それで一巻の終わり。
この事実は1億円でも、1億1千万円でも変わりはないからです。
お金の不安をなくすのに、資産額の増加で対策するのは、あまりスジがよくない方法だと思います。
お金の不安をなくすスジの良い解決方法は、「自分はいつでもお金を稼げるという自信」だと思います。
いざお金が足りなくなったら、その時は働いて稼ぐので問題はない。
この自信こそが、お金の不安をなくすスジのいい解決方法だと思います。
そこで私が考えたのが、宅建(宅地建物取引士)という国家資格の取得です。
2015年ころ、FP試験の勉強と並行しながら、なにか就職に強い資格はないだろうかと探していました。
FP資格は、お金の教養という面では優れているものの、再就職に強い資格ではないからです。
そうして見つけたのが宅建資格です。
宅建は、不動産会社で勤務するのに重要な資格ですが、それなりに取るのが難しいです。
必要勉強時間は約300時間とされ、合格率は約15%です。
この資格を取っておけば、警察を辞めた後での再就職に役に立つと思い勉強を始めました。
勉強を始めたのが2016年の2月で、試験は毎年10月に行われます。
8か月の猛勉強した結果、その年の10月の試験で一発合格することができました。
2024年5月に警察を退職した後、私はすぐに再就職しました。
再就職の理由は、お金の不安ではありません。
退職日までの2か月半の有給期間中、ずっと家にいる生活が煩わしくなったからです。
妻や子供が働いたり学校に行ってるのに、40代の父親がずっと家にいるのが耐えられませんでした。
理由はともあれ、私が再就職に選んだのは、宅建資格を活かせる不動産業でした。
履歴書を事前に送付しておいて、面接に行ったら1社目で採用でした。
週4のアルバイト採用ですが、宅建士手当も出るので、まったく不満はないですね。
8年前に頑張って宅建試験に受かっておいてよかったです。
退職後、増える時間の過ごし方
フルタイム勤務で残業マシマシの警察という仕事を退職すれば、当然時間は増えるでしょう。
その時間で何をするかということも、メチャクチャ大事です。
退職後に、特にやることもなくパチンコやったり昼酒食らったりするために、私は仕事を辞めたわけではありません。
自分のやりたいことに、時間を使っていくために仕事を辞めました。
でもこの、「自分のやりたいこと」って、意外に見つけるのが難しいと思います。
退職後に急に時間ができたからといって、のめりこめる趣味や新しい人間関係は、自然に降ってくるわけではありません。
自分で意識的にやりたいことや、人間関係を作るようにする必要があります。
そのためには、退職前から自分で意識的に動いておく方がいいです。
現職時代は仕事が忙しすぎて、自分がやりたいことなんかする時間はない人がほとんどでしょう。
逆に言うと、自分でやりたいことを見つけられなくても、仕事がその時間を埋めてくれています。
忙しくて大変でしょうが、やりたいことを自分で考える必要がない、楽な状態とも言えます。
私は退職前から、FP資格を活かしたボランティア活動、ランニング・卓球・読書などの趣味、子供の部活の応援、警察退職後も付き合える友人関係などを意識してきました。
そして、今やっている不動産会社での仕事も、ほとんど趣味みたいな感じです。
不動産業界の仕組みを覚えるのが楽しいので、部活をやっているような感じですね。
最後に
2014年に警察を本気でやめたいと思い、それから10年して警察を辞めました。
家族や子供がいる状態での警察の退職は、10年がかりの一大プロジェクトとなりました。
その間の10年間で、私が警察を辞めたいという情熱は衰えることはありませんでした。(笑)
私が警察を辞めることを職場の上司に伝えたのは、今年の1月8日でした。
係長、課長との面接は約10分で終了。
私が10年前から仕事を辞めることを決めていたということを話したら、引き留められることはありませんでした。(さすがに1億円の資産があることは言いませんでしたが。)
引き留められるどころか、むしろ羨ましがられてしまいました。
その上の署長や副所長との面接もなく、最終出勤日の3月上旬まで通常の勤務をした後に、2か月半の有給休暇期間に突入。
有休を使い果たした5月後半に退職となりました。
最終出勤日の前に、同じ部署の人たちが送別会をしてくれました。
ほとんどの人が、私の退職に好意的でした。
途中退職ということになりましたが、警察時代の最後はいい思い出になりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
久しぶりにコメントをさせていただきますが、まずは退職後も楽しく過ごされているようで何よりです。
私も早期退職を決意し、準備を始め出してから2年になりました。
資産額は冬のボーナスで3000万円を超えるので、少しずつ夢の実現に近づいてきたかなと感じています。
まあ、そんなことを思いつつ、今から24時間後の非番を心待ちにしているわけですが…(笑)
カトヒレさんのブログは本当に励みになるので、ありがとうございます。
HIROさん。
退職準備を進めているんですね!(^^)!
非番を待ちわびる気持ち、私も痛いほどわかります。
当番日の朝の、みんなのどんよりした顔を見てると、楽しく働いている方が少数だと思ってしまいましたね。
HIROさんの早期退職、お待ちしてますね。
100歳までのキャッシュフロー表を作るのが趣味です。子ども達の進学とか、退職時期とか、退職後の住む場所とか、仕事とか、資産の取り崩し方とか、投資方法とか、毎年変化する税制とか。考察要素がたくさんあって、これを考えながらキャッシュフロー表をいじってるだけで休日があっとゆーまに過ぎていきます。私は変態ですか?
キャッシュフロー表って、作るの楽しいですよね。
私もいろんなパターンを想定して、作ってみました。
最近は、大体自分の道筋が見えてきたので、作らなくなりましたが。
いろいろ考えながら、キャッシュフロー表を作るのはいいと思いますよ。
カトヒレさんこんにちは。私は某県の現職で来年で20年目になります。
私もカトヒレさんの退職時と同様の階級で、ここ数年は、できるだけ早く退職したい一心でお金の勉強をしており、カトヒレさんのブログやXは私の励みになっています。
私は今のところ、資産の積み立てもまだまだですので働く予定ですが、60歳退職を目標にしています。
お尋ねしますが、カトヒレさんでしたら、財形年金は解約して新Nisaや iDeCoに回しますか?ゆとり年金は解約して回していますが、3000円の期間中ですしそのままにしています。
あずみさん。
お仕事ご苦労様です。
ブログやXを見ていただいて、ありがとうございます。
財形年金について、私だったら解約しますね。財形って、生命保険料控除も使えないので、節税効果がないんですよね。ゆとり年金は、生命保険料控除を使えます。
財形年金は、非課税非課税と厚生担当の人に勧められますが、得だとは思えませんね
早速の返信ありがとうございます。
ゆとり年金より財形年金が高額なので、カトヒレさんに背中を押してもらえた気がしています。
たぶん自分が60歳の時に退職というのは、そのころになれば充分な早期退職だと思いますし、今の当直勤務を65歳までやれる気がしていません。
今後もカトヒレさんのブログ、Xを参考にさせてください。m(__)m
あずみさん。
65歳まで当直やるのは大変そうですよね。
私が早期退職した理由も、体力面での不安があったからです。
60歳でやめられれば、十分早期退職の時代になるでしょうね。
カトヒレパイセンのセミリタイヤ後の投資戦略について。現状でのお考えをブログに綴って頂けるとうれしいです。
匿名さん
投資戦略は、インデックス投資のバイアンドホールドです。
10年前からずっと変わっていないですね。
カトヒレ様
私は霞ヶ関勤務のノンキャリ42歳です。来年で勤続20年目になります。
独身で資産は約8500万です。周囲には50歳になったら早期退職制度に
応募できるので、それを利用して辞めると公言しています。
ただ、後7~8年は長いので、45歳あたりで辞めようと考えています。
時間の方が大切ですし家族がいなくて特に大きな出費もないので。
投資は高配当株中心で配当金が税引後で既に200万以上あり、
基本的な生活費は配当金で賄えてきていますので、全く仕事はやる気がないです。
最近は辞めることよりも辞めた後に何をするかを考えています。
追伸:カトヒレさんのブログを見て触発され宅建にこの前合格しました。
きんやさん。
その後年齢で、その資産であれば、50歳まで仕事しなくても大丈夫そうですね。
おっしゃるとおり、辞めることよりも、辞めた後に何をするかの方が重要じゃないかと思います。
私の場合は、不動産会社でゆるく働くというのが性に合っていたのが幸いでした。
自分が何に向いているのかということは、やってみるまで分からない部分もあるので、ある意味思い切りも必要だと思いますよ。