こんにちは、カトヒレです。
今日は、書籍の紹介をしたいと思います。
紹介するのは、2020年にアメリカで出版された、ダイ・ウィズ・ゼロという本です。
日本の金融を取り扱うチャンネルでも、かなり話題になった本です。
ダイウィズゼロは、アメリカ人が書いたお金に関する本ですが、通常のマネー本とは一線を画します。
死ぬまでにお金を使い切れ、ということを主張しています。
通常のマネー本は、お金を貯めて将来に備えることを勧めますが、この本は、お金を積極的に使うことを勧めています。
著者曰く、
人生で最も大切なことは、思い出を作ることである。思い出を作るためには、経験をする必要がある。経験をするために、お金を出すのを惜しむべきではない。経験は、若い時にするほど多くの思い出を残すことができる。将来に備えて、お金を使うのを先送りするほど、経験をする機会が減ってしまう。そして、多くの人が経験にお金を使うことを惜しみ、死ぬときに一番金持ちになっている。死ぬときには資産をゼロ(お金を全部使いきって)で死ぬべきである。
ということです。
この本を読むと、お金・若さ・健康・生きがいや仕事の関係について、真剣に考えさせられます。
私自身、将来お金に困らないように、貯蓄を優先した生き方をしてきました。
正規雇用の警察官で働いていて、もう40代後半になりました。
ある程度のお金を貯めることには成功しましたが、20代のころのような若さ(体力や感性)は残っていません。
スポーツをしても20代のころのような動きはできないし、焼き肉やラーメンなども以前ほどは食べられません。
音楽やゲームを楽しんだり、映画を見る感性なども衰えているかもしれません。
経験は、若い時にするほど価値があり、年齢を重ねるほど経験の価値は下がっていきます。
それなのに、多くの人は将来不安のために、若い時の経験にお金を使うことをよりも、将来の貯蓄を優先してしまいます。
高齢になって貯め込んだ1億円は、逆に言うと、若い時期の1億円の経験を放棄したことにより得られたお金でもあります。
お金を貯めることに魅力(魔力)に取りつかれると、人生の目的が蓄財になってしまいます。
私自身に当てはめると、好きではない仕事を続けて、資産を増やし続けることに疑問を感じています。
私が警察で働き続けると、65歳の時には2億円くらいの資産になると思います。
警察を続けるのが、お金を貯める方法としては、最も効率が良いですが、自由になる時間が限られます。
お金は、もう十分貯まってきたので、自由になる時間が欲しいです。
私は、高いお金が掛かるような趣味もなく、ランニング、卓球、ブログ執筆、読書、アマプラ鑑賞、ゲームなどをしていれば十分楽しめます。
休みの日は、それらをやっていると、あっという間に終わってしまいます。
私の場合は、お金稼ぎはもういいので、仕事をやめて自由な時間を取り戻したい、という思いが強いです。
今日は、ダイ・ウィズ・ゼロの本の内容と私の実体験などについて書いていきたいと思います。
ダイ・ウィズ・ゼロの私の解釈
本の中で私が印象に残っている内容を、箇条書きにしていきます。
こんな内容のことが書いてあります。
お金を貯めるためというよりも、積極的にお金を使いなさいという内容になっています。
ただ、無駄な浪費は慎むべきだし、経験のためにすべてのお金を使うべきだという極端なことは言っていません。
老後などの将来に必要なお金は確保しつつ、できるだけ若いうちに経験にお金を使うべきだということです。
お金を扱うチャンネルでは、有名な本なので、解説動画もたくさん出ています。
本を買うのまではちょっと、という人でも、一度は解説動画を見て欲しいと思います。
個人的にオススメなのは、フェルミ漫画大学の動画です。
人生の最大の目的は、思い出作り
これから資産形成を始める20代の世代にとっては、お金を使い切って死ねと言われても、先の話に感じるかもしれません。
しかし、思い出作りは、若いうちの思い出ほど、価値が高くなります。
若いうちほど、お金を蓄財に全振りしないで、経験のために使っていくということも大事になります。
20代の若い時期でしか経験できないこともありますからね。
私の警察の友人に、
こういう経験は、30代になるとできなくなります。
そんな彼も、28歳で警察に就職して、今では2児の父で、アッパーマス層(資産3000~5000万円)の住人です。
彼にダイ・ウィズ・ゼロを紹介し、このブログを書くことを伝えたら、快く写真を送ってくれました。!(^^)!
こうした、若いうちの経験は、思い出として自分の心に刻まれます。
その思い出を思い出すたびに、幸せな気分になることができます。
生きている限り、何度も何度も思い出して、幸せな気分になることができます。
思い出とは、毎年振り込まれる配当金のように、人生を豊かにしてくれるものです。
筆者はこれを、思い出の配当という言葉で表現しています。
思い出の配当は、生きている限り振り込まれ続けるので、若いうちに作った思い出ほど価値が高くなります。
20歳で作った思い出は、寿命が尽きるまでの数十年間、ずっと自分を幸せにしてくれるからです。
私は、40代後半で子供が中学校3年生と、小学校6年生です。
体力に自信があったので、若いころは趣味のマラソンに熱意を注いでいた時期もあります。
30代まではマラソンをかなり頑張って、大会での入賞も多数経験してきました。
体力テストでおなじみの1500m走のベストは、4分12秒です。
しかし、40代に入るあたりから、ケガが多くなり、マラソンでの結果を残せなくなってきました。
今も、ランニングは好きなので続けていますが、練習量は月に100~150キロ程度です。
マラソン練習をがむしゃらにやって、結果を出してモチベーションを維持するという時期は30代で終わってしまいました。
体力面は衰えを否定できませんが、40代になってからは、子供と一緒に卓球を始めています。
卓球は体力面よりも、技術や経験の方が大きな要素を占める競技なので、年齢を重ねてもできる競技だと思って、私も始めました。
家に卓球台を置いて、子供と一緒に練習しています。
うちの子どもは小学校5年生から卓球を始めましたが、中学校でもそこそこ結果を残し、高校の部活でも卓球をやる予定です。
始めた当初は、私の方が全然うまかったのですが、今では全く歯が立ちませんね。
くやしいので、自動球出しマシーンを購入して、こそこそ一人練習を続けています。
練習をしていくうちに、卓球が自分の趣味と言えるレベルになってきたので、これも大きな収穫です。
卓球という経験に、お金と労力を使うことで、私の人生を豊かにすることにつながっています。
自分の趣味が一つ増えたことに加えて、家族と同じ趣味を共有することができるからです。
このような楽しい経験も、いつまでもできるわけではありません。
子供はどんどん大きくなり、私はどんどんと老いていきます。
子供と一同じレベルの体力を維持できている、今の時期はゴールデンタイムです。
この時期に仕事で忙殺されると、家族との思い出を作るのは難しいです。
忙しすぎる仕事は、思い出作りの障害になります。
家族との思い出を作るために、仕事を辞めたくなるんですよね。”(-“”-)”
高齢になってお金持ちでも意味がない
お金の価値というのは、その人の年齢によって違います。
基本的には若い人が持つお金の方が、高齢者が持つお金よりも価値があります。
80歳の人が大金を持っていても、使い方が限られてしまいます。
旅行に行ったり、おいしいものを食べる場合でも、加齢によりその体験から価値を引き出すことができなくなります。
体力がなければ旅行やスポーツを楽しむことができないし、お肉やこってりした料理は食べられなくなります。
映画を見たり、本を読んだりしても、若い人ほどの感動は得られないと思います。
そう考えると、人は加齢によりお金(経験)から価値を引き出す能力が下がっていくと言えます。
死ぬ間際になって、大金を持っていても、それはムダ金だ。
ムダ金を貯めるために、若い時間を使い過ぎている人があまりにも多すぎる。
実際に、死ぬ間際に一番金持ちになっている人が多いという事実がある。
だったら、意識的に、自分の資産を取り崩す時期を設定して、お金を減らし始めるようにするべきだ。
そして、その年齢というのは、45歳から60歳である。
40代50代であれば、まだ十分にお金から価値を引き出す能力があるということです。
若さが残っているうちに、お金を減らし始めましょうということですね。
45歳から60歳までの間に資産を取り崩し始めろ
本書では、まだ若さが残っている、45歳から60歳の間に資産を取り崩し始めろと言っています。
私が目指すところの、セミリタイヤもそれと一致します。
資産を取り崩し始めるということは、正規雇用などのバリバリの働き方を辞めて、ゆるく働く、若しくは働くこと自体を辞めるということです。
45歳で正規雇用を辞めるとなると、老後に必要なお金を見積もっておく必要があります。
正規雇用を辞める時点での総資産、毎月の支出と貯蓄の取り崩し額、90歳くらいまで生きた場合の残りの資産額などを計算する必要があります。
私が一つの目安にしているのは、FP(ファイナンシャルプランナー)がライフプラン相談の際に使うキャッシュフロー表です。
今退職しても、何とかやっていけそうな計算にはなっています。
しかし、これはある程度の蓄財が進んでいる人であるということが、私の考えです。
45歳から働き方をダウンシフトするには、それなりの資産を持っていることが前提になるでしょう。
個人的な感覚では、資産額が3000万円以上のアッパーマス層以上になるのではないでしょうか。
出所 野村総合研究所
最後に
私が積極的にやりたいことといえば、なんといっても退職することなんですよね。”(-“”-)”
仕事を辞めることで、自分が自由にできる時間を増やしたいです。
今の職場と私は、考え方と価値観が全く合いません。
仕事の時間中は、自分を押し殺して、みんなの価値観と合うように振舞っています。
職場の人は、みんないい人だし、人間関係に悩んでいるわけでもありません。
でも、自分が果たすべき役割と、自分の大事にしたい価値観が全然合わないんですね。
本書、ダイウィズゼロでは、45歳から60歳の間に資産を取り崩し始める時期を決めろとあります。
私は45歳を過ぎているので、資産の取り崩しを検討し始める時期になりました。
そして、私のやりたいことは退職です。
退職することで、それ以降もらえる予定だった給料は放棄することになります。
60歳までの給料は1億円以上なので、その権利を放棄することになります。
自由な時間を得るために、1億円をもらえる権利を放棄する。
何かを得るには、相応の対価を払う必要があるということですね。
出所 鋼の錬金術師
もらえる給料を大事にし過ぎて、死ぬときに一番金持ちになっていることは避けたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
この価値観、私は少しも腹落ちしないんですよねえ。理由は色々あるのですが、一言で言うと、死ぬときに一番お金持ちでありたいと思っているからです。
英雄さん、コメントありがとうございます。
人的資本は、高齢期になるとどうしても衰えるので、十分なお金で備えたいというのは、自然な本能かもしれませんね。
私もさすがに、ゼロまで使い切る勇気はありませんね ^^)